NPO・市民団体の総会、新型コロナ禍のなかでどう開く?
事業年度が3月末で終わる団体は、総会の準備に追われる頃ですね。
新型コロナウイルスの感染拡大のなかで総会をどうやって開けばいいのか、悩んでおられる団体も多いと思います。
内閣府や大阪府からは、NPO法人の社員総会の開催についてお知らせが出ています(最後にURLを載せています)。NPO法人以外の団体やグループにも参考になりそうです。案内されている方法は、3つです。
(1)書面表決・表決委任の活用
(2)インターネット等(オンライン上)を利用した会議の活用
(3)社員総会の決議の省略(いわゆる「みなし総会」)
それぞれ、少し分かりやすく説明しますと…
少数が総会に出て、他の会員は「書面表決書」か「委任状」を出す
総会欠席者に「委任状」を出しておいてもらって、総会開催時に「会場に来られている出席者が○人、書面表決書および委任状提出が○人で、この総会は成立しています」という、あれです。会場に来る出席者を最小限に抑える、というやり方です。
総会を開くのに「来てはいけない」などと言うことはできませんので、総会案内と議事の資料を送る際に、「感染予防への協力をお願い」する形になります。
本来は貴重な意見交換の機会ですので、議事内容は送付資料で詳しく伝えて、書面などで意見を寄せてもらう工夫をするといいですね。
NPO法人が社員(正会員の名称にしていることが多いと思います)から書面表決書や委任状をもらう際は、現物の紙をもらう以外に、Eメールでも有効な場合があります。
定款のなかの「総会」に関するところに、通常は「表決権」について定められた箇所があります。そこに、「書面をもって表決し、又は他の正会員を代理人として表決を委任できる」のように「書面」しか書かれていなかったら、残念ながら、Eメールの委任状は無効です。
「書面若しくは電磁的方法をもって表決し」みたいに書かれていたら、「電磁的方法」はEメールなどのことなので、Eメールでもらった書面表決書や委任状は有効です。
全員賛成なら、集まらなくても総会決議ができたことになる「みなし総会」
2のオンライン総会の前に、3の「社員総会の決議の省略」についてです。
NPO法人の総会議案に対して社員(正会員)全員が「同意」なら、「総会で可決された」とみなすことができます。これだと、誰も集まらなくても成立します。
全員に議案書を送って、同意するかどうかを尋ねます。「電話で聞く」とかはさすがにだめで、書面かEメールなどで「同意する」をもらわないといけません。
全員の「同意する」が集まったら、みなし決議の議事録を作って、完了です。みなし決議の議事録の例は、大阪府のウェブサイトの「府民協働に関するトピックス」ページからダウンロードできます。
みなし総会は、総会定足数や多数決ではなく「全員」の「同意」がいる点に注意が必要です。
同意の意思表示は、Eメールでも有効です。定款に書いていなくても、NPO法が認めているので、大丈夫です。